イフガオで先生たちが演劇!? イフガオ演劇ワークショップ1日目(Kei)

さてここから演劇ワークショップの様子を書いていこうと思います。ワークショップ前半の様子を担当します、けいです。どうしても長めの文章になってしまいます、、長文注意です、、すみません...。


4/30、演劇ワークショップが始まりました。会場はフンドアン町のハパオにあるイフガオ大学ハパオキャンパス。山と川と棚田に囲まれたジョバンニズ・プレイスという宿で宿泊をします。(なんと30分くらい棚田を登っていくと天然の温泉に入ることができます。)まさに棚田の中で過ごし、棚田の未来を考えます。
棚田のあぜ道を通り抜け車道があるところまで出て少し坂を登って行くと大学に着きます。ワークショップ1日目は諸関係者の挨拶から始まりました。

このワークショップのメイン・ファシリテーターとして進めてくださったのは花崎攝さんです。攝さんは日本大学芸術学部などで応用演劇についての教鞭をとりながら各地で演劇ワークショップを展開し、今回のワークショップ以前にも、CGNの企画するフィリピン各地での演劇ワークショップでファシリテイタ―を務めてきました。アシスタント・ファシリテーターとしては、イギリスで応用演劇を学び、日本でも指導をされている飛田さん、昨年まで攝さんのゼミ生だったという千葉さん、そしてかつて攝さんの元で指導を受けたイフガオ出身者を中心とした現地の若者たちが中心となってこのワークショップの進行はなされました。

(ファシリテーターの皆さん
真ん中が攝さんで、左からケビン、リマール、千葉ゆりさん、飛田さんです。)

早速、攝さんをはじめとするファシリテーターズがウォーミングアップの指導から始めます。
写真ではうまく伝わらないかもしれませんが、ゲームをしながら自己紹介やウォーミングアップをしました。教師を目指す僕にとって面白いアイスブレイクばかりでした。
アシスタント・ファシリテーターの飛田さんと千葉さんが進めます。アイスブレイクで面白かっったのは自分の名前を言って次に隣の人の名前を言い、それを一周繋いで行く自己紹介ゲームでした。何周かすると少しずつルールが加えられていき、隣の人以外の人の名前を呼ぶようになります。また何周かすると、名前を呼ぶ時に自分で場面を設定して名前を呼ぶようになります。朝の挨拶、久しぶりにあった友達、ナンパ、死んだ友達、と参加者の先生たちはクリエイティブでウィットに富んだいろんな場面を付け加えながら仲間の名前を呼びます。ここで大事なことは相手の目をしっかりとみて名前を呼ぶことだそうです。先生方はいったいどんな反応をするのだろうか、、、と思ってみていると、最後はびっくりするぐらい、実は学生相手にやってるんじゃないかってくらい大盛り上がり、大爆笑のアイスブレイクでした。あっという間にお互い打ち解けあって、素晴らしいスタートを切りました。同じことを日本の先生たちがやってもここまでは盛り上がらないんじゃないかな…。
アイスブレイク、ウォーミングアップが一通り終わると、本題に入っていきます。攝さんが先生たちに問いかけます。「農業」についてどんなイメージを持っていますか。これは攝さんが事前に先生たちにお願いしていた課題でもあったのですが、自分が持っている農業に対するイメージを自分の人生や、家族、生活環境になぞらえながら先生たちはレポートを書いてきていました。それをもとに農業について思っていることを共有し合います。参加者の先生たちはほとんどイフガオ出身で身近に棚田があるはずですが、先生という職業についているからか農業体験がある先生は思いのほか少ない印象でした。親や祖父母の代は持っていたが自分はやらない、そもそも畑や田んぼを持っていない、そんな先生が多いようです。今まで受けてきた教育の中でも、「勉強しなきゃ、農家になっちゃうよ」という教えを受けてきた先生もいたようです。
お昼を食べた後、3つのグループに分かれてシェアしたことを元に、自分たちが感じている農業をとりまく環境と生活についての寸劇を作り発表します。あるグループは畑仕事が嫌いな男の子とその家族、友達の様子を寸劇にしました。男の子は家の田んぼ仕事が嫌いで田んぼ仕事をするくらいなら学校に行く方がいい、だけど新学期から農業に関する授業が始まりました。農業が嫌いな彼は学校にも行かなくなりました。フラフラ出歩いているところにクラスメイトと出会い友達と出かけてしまう。この劇では農業が子どもたちにとっていい印象を与えていないことを表しているように感じました。また先生たちもそのようなことを自分たちの生徒たちから感じとっているんだろうなと思いました。またあるグループはスマホに夢中になり家の仕事や畑の仕事を手伝わない子どもたちと、その子どもたちに畑を相続させるのではなく企業に土地を売ってしまおうか考える家族の様子を劇で表しました。これはイフガオではなく他の地域で起きているそうですが、近い将来イフガオでも起きるようになるのではないかと考えこのテーマにしたそうです。
自分たちの経験やイメージで考えてみてもいろんな問題や課題が現在の農業にはありそうです。では実際の人々はどんなことを考え、どんなことに悩み、どんなことを実際しているのでしょうか。翌日は農家さんや、ガイドさんなど現地ハパオで生活している人に直接インタビューをし、棚田がある地域で起きているリアルを探ります。このインタビューで得た情報をもとにこのワークショップの成果として一つの演劇作品を作成します。
さて自分たちでオリジナルの寸劇を作ってみたところで色々疑問に思うところや聞いてみたいと思うところを現地の人に聞く準備をするのですが、ここで大議論が発生します。ほとんどイフガオの言葉での議論だったのでどんなやりとりがあったのかはよくわからなかったのですが、どのようなテーマにするか、テーマを元にどのようにグループを作るのか、どのグループがだれにインタビューをしに行くのか、ものすごい白熱しました。
ようやく落ち着いてきたところで、ここから記者であり大学院生でもある日丸さんとインターン生のマキさんと僕でインタビューをする際に気をつけることや大事なことを伝える時間を作っていただきました。この時間を頂いてから僕らが発表するまで何を伝えるか一生懸命考えていたのですが、そもそも参加者の皆さんが先生であること、スタートからこの時まで熱を持って意欲的に取り組んでいる姿、積極的にコミュニケーションをとりながら課題に取り組む姿をみて、あ、我らが言うことは何もない、むしろ水を差してしまうと言うことで、わかってはいると思うけれどもう一度確認です、と言うような形で、発表をさせていただきました。
マキさんは青年海外協力隊の経験を元にインタビューをするときに必要な心構えや姿勢を僕との寸劇を例にしてわかりやすく説明していただきました。日丸さんは自身が学んでいるという「聞き書き」という技法について説明していただきました。僕はその日丸さんの日本語の説明を拙い英語で通訳させていただきました。「聞き書き」というのはこのワークショップで台本を作る際に必要となってくる考え方というか手法で、現地の人にインタビューする際、現地の人が話すことをなるべく正確に一言一句間違えずに記録し、それを演劇に活かす方法です。元々は「聞き書き甲子園」という、都会に住む高校生が田舎で第一次産業を営むプロに仕事のお話や、伝統、地域の様子、生活を一週間かけてインタビュー取材をする高校生向けの活動で使われているもので、その人の話し方や、調子、方言まで正確に書き留め、その人の生き方、人生をまとめたエッセイを作ります。日丸さんはその「聞き書き」をこのワークショップでも参考にして作品を作っていってほしいという思いを伝えていただきました。
僕の拙い英語の後、攝のフォローがあり、そこから、より具体的にどんなことをインタビューしてどんな物語を構想するのかという議論が再び白熱しました。6時ごろになると辺りは暗くなってきます。前述したように棚田を横断しないと宿に戻れません。宿までは街灯もないので暗くなる前に活動を終了して宿に戻ります。宿に戻った後もグループ内での相談が絶えませんでした。





翌日からは3つのグループに分かれ、インタビューをします。インタビューをしたことを全体で共有し演劇にどう生かすか考えます。どんな人からどんなお話が聞けるのでしょう。楽しみです!

***


演劇ワークショップでアジアの農村をつなぐ

~青少年を対象とする環境問題をテーマとした演劇交流事業~

事業実施団体:コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)/総合地球環境学研究所

助成:国際交流基金アジアセンター アジア・文化創造協働助成 / トヨタ財団 国際助成

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コーディリエラ・グリーン・ネットワーク インターン体験ブログ

フィリピン・ルソン島北部のバギオを拠点に、コーディリエラ山岳地方で活動する環境NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)の日本人インターンによるブログです。活動紹介のホームページはhttps://cordigreen.jimdo.com。以前のインターン体験ブログはこちらameblo.jp/cordillera/。問い合わせはcordigreen(a)gmail.comまで。