8か月半のインターン生活を終えて(吉村 瞭)

 2017年3月半ば~11月までの約8か月半、CGNインターン生としてお世話になりました立教大学観光学部交流文化学科の吉村瞭です。

 数か月前までは、空に向かってまっすぐ伸びるベンゲット松に囲まれたバギオ(フィリピンルソン島北部にあるCGNの活動拠点地)で生活をしていたのに、今はビルが立ち並ぶ都会での暮らし。帰国前、久しぶりの日本はさぞかし新鮮に感じるだろうと思っていましたが、8か月半という期間は長いようで短く、まるでバギオでの生活は嘘だったかのように元通りの暮らしを送っています。けれども時折あの日々を思い出すと、懐かしさと切なさで心をきゅっと捕まれたような寂しい気持ちになります。

 CGNインターン生として過ごした約8か月半は失敗と反省のオンパレードでした。インターン生としての立場やバギオという土地、またCGNについて何も分からなかった私は自分がどう動けばいいのかが分からず、右往左往している間に時間ばかりが経つという状況が続きました。そういった苦悩を経て、ようやくここでの役割や立場等がわかり始めた頃に帰国をしたため、正直もう少しフィリピンにいたかったという気持ちがあります。私は大学を1年休学してここでインターンをしました。今、自信を持って言えることは、社会に出る前にこのような経験ができたことが、私にとって何よりの財産になったということです。インターンを通じて、海外だから学べたことはもちろん、自分自身に足りない社会人としての常識も知ることができました。もしインターンをせずに社会に出ていたら、、、そんなことを想像するだけでぞっとします。

 インターン期間中にやらせていただいたお仕事として、フィリピン人向け書道ワークショップ(2回)、立教大学の学生さんのスタディツアー、植林ツアー、ガイドブックの改訂作業のお手伝い、ゲストハウス運営のお手伝い、フリーペーパーの記事を書く、在バギオの日本人アーティストのホームページ作成等をさせていただきました。

 どのお仕事も私にとっては大変難しく、たくさん悩み、時には厳しいお言葉もいただきました。一見これらは多種多様な仕事にみえますが、実はそこには大事な共通点があることに途中で気づかされました。

 それはどれも、第三者に情報を伝えるということです。ワークショップ開催時には参加者が増えることを願って情報を発信します。スタディツアーでは、学生側から提示された学びたいテーマを事前に勉強し、それらを理解してもらえるように伝えます。ガイドブック改定作業は、情報の正誤について確認するのはもちろんのこと、それに加え読み手が欲する情報をまんべんなく伝える必要があります。

 これらの仕事を通して「情報を的確に届けるには、発信媒体の特徴を加味しながら、発信側の立場と目的、受け手側のニーズを明確にすることが大事」ということを学びました。現代は情報社会です。膨大な情報の中から人々は取捨選択をしており、ともすると発信した情報が埋もれてしまうという事態がおこります。しかし私は、情報をニーズに合わせて的確に伝えることに未だ苦戦しており(今書いているブログも(-_-;))、それができる日が果たして来るのか不安になりますが、この気づきは私にとって大きな一歩となりました。

 そして現地の人々との交流の中で気づいたことは、「今あるものの中から探すこと」の大切さです。インターン中に何度か農村地に行く機会をいただきました。行く先々で出会う村人の暮らしぶりが、なぜか私には魅力的に見え、すっかり彼らの虜になってしまいました。村人からすると何が魅力か不思議といった様子で、実際私自身も明確な答えは出ていませんでした。そんな時CGNスタッフである、反町眞理子さんの「あるものから探す、あるもの探しが大切だ」という言葉を聞いて、以前村人と農作業をした時のエピソードを思い出しました。

 ある日農作業を行うために村人たちと畑に向かい、いざ作業開始という時、スコップが無いことが判明しました。私はスコップがないならば作業はできないと思っていました。ところが、無いなら作ればいいと村人たちは自らで竹を用意し、それらを削って完成させたのです。スコップは買うものと思っていた私の目に、彼らの行動は新鮮に映り、自分の考えを恥ずかしく思いました。

 このように彼らは日常の何気ない一コマで「今あるものから探す」を実践しており、そのことが私にはまぶしく見えました。「無いからあきらめる」のではなく、「無いなら知恵を使ってあるものから生みだす」このことが私の感じていた彼らの魅力だったと気づきました。

 私の人生の一瞬、わずか数か月のバギオ生活ではありましたがここは私にとって行く場所ではなく帰る場所になりました。少し考えただけでも「ただいま」と言って再会したい人が山のようにいますし、携帯の中には、思いだしただけで胸の熱くなる素敵な写真が沢山あります。今はただ人としてまだまだ未熟な私のことを、見捨てず向き合ってくださった沢山の人々への感謝の気持ちでいっぱいです。この気持ちをバネに成長していつの日か必ずフィリピンに帰りたいと思います。

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コーディリエラ・グリーン・ネットワーク インターン体験ブログ

フィリピン・ルソン島北部のバギオを拠点に、コーディリエラ山岳地方で活動する環境NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)の日本人インターンによるブログです。活動紹介のホームページはhttps://cordigreen.jimdo.com。以前のインターン体験ブログはこちらameblo.jp/cordillera/。問い合わせはcordigreen(a)gmail.comまで。